囚われの身
仕事中に『おちんちんペニス』という単語が頭から離れなくなったら皆さんはどうしますか?
こんにちは、さようなら、私です。
離れなかった。いやほんと久しぶりに会った遠距離のカップルかよってくらい追ってくる、『おちんちんペニス』
なにこの意味のなさがギネス級の単語。
頭痛が痛いを斜め上から超えていき、
夜の夜中さえ凌いでいく圧倒的重複感。
そしてにもかかわらず頭から離れないリズミカルな『おちんちんペニス』
勘弁して欲しい。
取引先の顔を見ては『おちんちんペニス』
ほか部署の人に怒られる時にも『おちんちんペニス』
先輩と美味しいパンの話の最中にも『おちんちんペニス』
頼むから休ませてくれ。
もうこれ以上『おちんちんペニス』のことを考え続けたら『おちんちんペニス』になってしまう。
いや、もうなっているのでは…?
朝の八時半、始業と同時に『おちんちんペニス』になっていたのでは…?
そもそも『おちんちんペニス』とは私の名前ではなかったのか…?
その時、私の脳内にはさながらスポンジに水が染み渡るように当然の如く納得できる思考にたどり着いた。
そうか、『おちんちんペニス』とは宇宙そのものだったのか。
太陽が昇るから昼があり、地球が回るから時間が流れる。海があり、魚が泳ぎ、陸があり、動物たちは草原を駆け回る。
人は泣き、笑い、愛し合い、時にはぶつかり合って切磋琢磨し、大きく成長するように。
当たり前に、当然に、必然的に、運命のように。
『おちんちんペニス』は宇宙だったのだ。
よし、殺してくれ。